2013年4月16日
中辺路町高原〈2〉光る庚申さん
里のみち
熊野の道は里を結びながら、山中を迷路のようにめぐっています。古老たちの語りや歌、伝説に導かれながら行く里の道。訪ねたのは大瀬(おおぜ)・高原(たかはら)の集落と、兵生(ひょうぜ)の廃村です。
今回、北浦さんに同行させてもらうことになったひろの。
高原におもしろい祠があるときいて、ワクワク。
ついたところは山の上の集落。
地上よりもまわりの山の頂上のほうがちかいし。
それにしても、棚田好きにはたまらない、この光景!
ひとり、ハアハアしながらついていくと、
熊野古道ぞいのほそ~い道にそれはあった。
思わず見逃してしまいそうな、小さな祠の中に、石仏が二体。
庚申様と大日様。
その後ろに、なんか書いてある。
よくよく見ると、ご詠歌と真言・・・?
きたうらさん曰く、「このあたりの祠には、こんなふうにご詠歌が書いてあるんよ」。
へぇ~。こんなのはじめて見た。地元の人たちが祠を大事にしてるんだね。
確かにちょっとおもしろい祠かも。
なんて、ぼんやり右の柱をながめると・・・
なんだろ、この文?
白く塗った板に消えそうな字。
そのまま書き出してみると。
「庚申さんと大日さんのいわれ
この庚申さんと大日さんは何十年前より座しています。この庚申さんから夜間時々光がでています。那須亀太郎さん十八才の時、夜十一時、前を通りかかった時、ダイヤのような光を頂いた。現在七十五才元気に過ごさせていただいて居ります。 平成六年」
えええっ!?
ダイヤのように光る庚申様、す、す、すごいっ!!
「おもしろい祠」と言っていた、本当の理由がわかったよ。
平成六年の記述ならまだ最近。那須亀太郎さんがご存命なら、ぜひお会いしてじかにお話をうかがいたいものです。