滝尻王子〜近露王子

歩き始めは、滝尻王子。 五体王子のひとつで、ここから先が熊野の霊域だと言われている。 まずは参拝。 五体王子とは、熊野古道の紀伊路と中辺路沿いに祀られた九十九王子のうちで、特に格式の高い神社のこと。王子社には熊野権現の御 […]

近露王子〜小広王子

箸折峠を背に、近露(ちかつゆ)の集落へ向かった。途中、果無(はてなし)山脈を眺めながら、日置川にかかる北野橋を渡る。かつて熊野詣での巡礼者は、この川で水垢離をすませてから、熊野三山を目指したそうだ。 しばらく歩くと左手に […]

小広王子〜発心門王子

早朝、リュックを背負って小広峠のバス停から歩き出す。 かなりハードな峠道らしいが、山歩きの楽しさもわかってきたので足どりも軽い。 車道から少し離れると人家も見えず、あたりは鬱蒼とした森。 小広峠は狼がたくさん出没したとこ […]

発心門王子〜熊野本宮大社

本宮の世界遺産センターに車をとめて、路線バスで発心門(ほっしんもん)王子へ。 発心とは、菩薩発心、すなわち仏堂に入る志を決意する。中世、ここには「発心門」と呼ばれる大きな鳥居があり、くぐりぬけると熊野三山の聖域と考えられ […]

赤木越

三越峠から発心門(ほっしんもん)に抜ける途中、船玉大社付近から分岐する別ルートがある。 湯の峯温泉に抜ける「赤木越(あかぎごえ)」と呼ばれる尾根道だ。 「最初は登りがきついけど、あとは楽ですよ」となかへち観光協会の職員さ […]

大日越

熊野古道・大日越(だいにちごえ)は、湯の峯温泉と熊野本宮大社を結ぶ湯垢離(ゆごり)の道として古代から利用されてきた。 湯登神事の日、稚児を肩車した父親たちが汗だくで越える道だ。 湯の峯からの登り口は東光寺の裏手から入って […]

天空の里の物語「中辺路町高原」

滝尻王子から険しい峠を越えて熊野古道を歩いていくと、急に視界がひらけて道は里へと入っていきます。雲海で知られる山上に、ぽっかり広がる集落の名は高原(たかはら)。斜面に散らばる家々は46軒で、住民のほとんどは高齢者だそうで […]

落人の里の物語「本宮町大瀬」

ある日のこと、図書館の本棚で小さな薄い冊子を見つけました。『古里の記』という題で筆者は大瀬(おおぜ)に住む前久保國一さん。不便で貧しかった山里の、かつての暮らしをしたためた昔語りの文章でした。「遠からずこの地も消え去るの […]

消えた里の物語「中辺路町兵生」

兵生(ひょうぜ)は熊野の山の奥深くにあった隠れ里です。ここには「兵生の松若」という伝説があり、「不老不死となった男が、一人ぼっちで何百年も山の岩屋で暮らしている」と語り継がれてきました。 私たちは松若の伝説に興味をひかれ […]

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古道をゆく

古道をゆく

古代から続く参詣道を、旅人の目線で歩く「山のみち」。小さな山里を訪ね、人々の心を感じる「里のみち」。
ふたつの道をたどってゆけば、時空を超えた熊野紀行がはじまります。