狐の火

狐の火

近露の「かみや」という家で、自分の敷地に稲荷さんを建てて祀った日のこと。
夜になると箸折峠から、ずっと下の出口の谷というあたりまで、
火がずらっと並んで見えたという。
村の人たちは、「お稲荷さんの使い火ではないか」と言っていたという。
昭和の、初め頃でしたかね。

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採話地:中辺路町近露
『熊野・中辺路の民話』 1980年 民話と文学の会編 より