お盆の13日に大瀬の公民館で、太鼓踊りがあると聞いて行ってきました。首から太鼓を下げて両手にバチを持って踊るもので、県内では大瀬でのみ踊られる珍しい盆踊りだそうです。「こんなに素晴らしい民俗芸能が、山間の小さな集落にだけ伝わってきたなんて」と驚嘆しました。現在、大瀬には住民がほとんどいなくなったので、熊野本宮伝統芸能教室の皆さんが継承に尽力されているそうです。和歌山の貴重な民俗芸能を受け継いでくださっていることに感謝します。
本宮町大瀬〈7〉真昼の盆踊り
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お盆の13日に大瀬の公民館で、太鼓踊りがあると聞いて行ってきました。首から太鼓を下げて両手にバチを持って踊るもので、県内では大瀬でのみ踊られる珍しい盆踊りだそうです。「こんなに素晴らしい民俗芸能が、山間の小さな集落にだけ伝わってきたなんて」と驚嘆しました。現在、大瀬には住民がほとんどいなくなったので、熊野本宮伝統芸能教室の皆さんが継承に尽力されているそうです。和歌山の貴重な民俗芸能を受け継いでくださっていることに感謝します。
熊野地方一帯にみられる三体月の伝説について、前久保國一さんが書いておられたので「古里の記」から引用させてもらいました。前久保さんのお母さんが、平(たいら)という集落から三体月を見たそうです。平の集落も今はなく、植林が空を塞いでいます。かつては夜明けが早くて、見晴らしもよい所だったそうです。
大瀬を初めて歩いたのは、5月に入った頃の夕方でした。前久保さんの冊子を読んでいたので、大瀬の情報は頭に入っていたのですが、その情報と目の前の光景がつながりません。ここにかつて、集落があったことが信じられないのです。首をかしげたり、振り向いたりしながら公民館を覗き込んだり、橋を渡ってみたり。
大瀬の物語は、図書館で前久保國一さんの冊子を見つけたことから始まります。前久保さんの文章に私はとても胸を打たれたので、本当はまだまだ引用したいくらいです。かつての熊野びとが、どれほど祖先や山を大事にしてきたか。山を守ってきた生活者の目線で綴られた文章は、山の民の精神を今に伝える貴重なものだと思います。