兵生の取材に同行したひろのさんが、松若の絵を描いてくれました。松若が腰掛けている石組みは、カマドの跡。おそらく数十年前まで家が建っていたはずですが、今は植林された杉に埋もれています。この絵を見ていると、塩をもらいに里へおりて来た松若が、途方に暮れているようにも見えるのです。
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渡瀬の鹿
その日の宿は四村川沿いの渡瀬(わたらせ)にあるバンガロー、「クアハウス熊野本宮」。
熊野古道にも近いし、温泉も温水プールもあるし、したかったらバーベキューもできるのでおすすめ。
夜明け前、ふと目をさますと動物や鳥、昆虫らしき鳴き声が聴こえる。うずうずして寝ていられなくなったので、レコーダーを持って外へ。4時頃だったと思うが、あたりはまだ真っ暗だ。
「もし私を目撃する人がいたら恐いだろうな」と思いつつ河原で立っていると、水をはね飛ばすような音がして、何かが対岸に向かって逃げていった。
鹿だ。この鳴き方は、たぶん子鹿。闇にぼんやり浮かぶ白いお尻がちょっと見えたし。
「河原にへんなやつが来た」と、仲間に知らせているのだろう。繰り返し鳴いている。
川のせせらぎと、カジカの鳴き声も。
しばらく音を録っていたが、白々と夜が明けてきたのでバンガローに戻って寝た。
もののけ大銀杏 04.12
前回の撮影から22日後の4月12日、晴れ。
311号線の峠道でハンドルを切りながら思わず声をあげた。
全体を黄緑に覆われて、もわもわと存在を主張し始めている。さすが。
国道をはずれて宝泉寺へ。間近で見ると、一枚一枚の葉っぱはまだ小さくて、でも、きちんと銀杏の葉の形。
前は枯れ木にぷちっと小さく突起が出ているだけだったのに。
この葉っぱが大きくなればなるほどに、一回り、二回りと全体が膨張していく予定。
大銀杏の記事は以下にもあります。
中辺路町高原〈2〉光る庚申さん
ひろのさんが、光る庚申さんとあっと驚く那須亀太郎さんのイラストを描いてくれました。私たちが高原を訪ねた目的は当初、「那須亀太郎さんに会いに行こう!」だったのですが、そのミッションは残念ながら果たせませんでした。お亡くなりになっていて、とても残念。…ん? 今ふと思ったのですが、祠の中に張り紙をしたのは誰なのだろう。