湯の峯温泉

かつて、熊野詣での人々は湯の峯で湯垢離(ゆごり)の潔斎を行い、旅の疲れを癒してから本宮大社に参拝したそうだ。日に七度、温泉の色が変化するという 「つぼ湯」は、世界遺産登録された世界初のお風呂だと、熊野本宮観光協会のホームページに書いていた。

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湯筒には卵が5個ほど入った網の袋がいくつか浸けられていた。それを心配そうに橋の上から見ていた男性が「あの卵、カラスに持っていかれやんように気 をつけやなんだら」と言う。どうやら近くの旅館の方らしい。 「いえ、私のではないんですけど」と答えてから、ふと気になったので聞いてみた。

「あんなに熱いのに、カラスが持っていくんですか?」

「持っていく。今も上から狙ってるやろ」

「でも、袋に入ってるのに」

「袋ごと持っていくんよ。ほんまに油断ならんで」

「!?」

それ、動画に撮ってyoutubeにアップしたら町おこしになるかも。(とは言えなかったので、ここに書いた)

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今回お世話になった民宿は「やまね」さん。心のこもったお料理を色々と出してくださり、足の痛みもしばし忘れて至福のひととき。食後、東京からいらしたお客さんとお風呂で一緒になったので「どれもおいしかっ たですねぇ」と感激を分かち合う。朝食で出してくれた温泉がゆと金山寺味噌がまた、たいそう美味で…。 気さくでチャーミングな女将さんにもお世話になりました。

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*民宿「やまね」さん

投稿日:2013年4月15日
カテゴリー:みちとおと取材記
文:北浦雅子